作り手の名前がそのままボトルの名前
それは「ロマーノ・レヴィ」
ロマーノ・レヴィは「天使のようなグラッパ職人」として知られ、彼の製法と作品への情熱は多くの人々に感動を与えました。彼は手書きのラベルで一本一本を友人へのプレゼントのように作り、その伝統的な方法、特に自然炎の直火式蒸留釜と無補糖・無香料のこだわりは現在も継承されています。
直火式は温度調節が非常に難しいため大手では行われません。実際ロマーノの蒸留釜でも、30年以上専属で働いている職人がいるのにもかかわらず、温度調節だけはロマーノ本人でないとうまくいかなかったそうです。
そして市場に出回るほとんどのグラッパは補糖されています。”ホンモノ”のグラッパ はどんどん失われつつあるのかもしれません。
ロマーノ・レヴィが2008年に亡くなった後、マスター蒸留師としてファブリツィオ・ソブレロ氏が、あと二人の職人、ルイジ・スキアッパピエトラとルチオ・スカラッティが彼の技術と哲学を引き継ぎ、ロマーノ・レヴィを作っています。
ロマーノのグラッパはイタリア国内においても一般市場に出回ってません。市場にあるものは全て個人的に購入したものを再販売しているもの。ロマーノの蒸留所は電話が無いので、彼のグラッパを手に入れるためには通常直接行くしか方法がなく、1本のグラッパを求め世界中から人々が訪れます。その転売されたものを我々が購入するので非常に高価なものになります。ロマーノが亡くなった今はどんどん値段が上がるでしょう。私は2021年にたまたま見つけましたが一本8万円でした。
ロマーノ・レヴィが美味しい理由のもう一つは、
ロマーノは桜、オーク、アカシア、栗などさまざまな種類と大きさの木樽を使い分けており、彼の使用する多様な木樽での熟成方法は、グラッパの風味と色に大きな魅力を与えます。そして蒸留されたグラッパは直接樽へと入れられ、熟成庫で1年から10年寝かせられる(ものによっては20年以上…)。
他のグラッパ には無い手間暇がかかっておりその為非常に美味しいグラッパ となるんです。
飲みたくなってきたでしょ?
ロマーノ本人が蒸留したものはなかなか手に入りません。ファブリッツィオ氏のボトルとロマーノ本人のとの飲み比べは素晴らしい体験ですよ。
今、ネットで買えるものはまずファブリッツィオ氏が作ったものです。ラベルが手書きではなくプリントされたやつですので見た目でもわかると思います。